2023/04/30 11:51



https://twitter.com/kanaohtsuki/status/1467455724704124938?s=46&t=Mz33qxckp16CxCxT6wLF7g


画家の北浦朋恵さんの作家・作品紹介を大槻香奈が書いております。うつわの在り方が少し独特な作家さんで、簡単に目には見えないその謎を解き明かしたく思いました。年賀状の絵に一年もかけてしまう北浦さんの驚きの技法と思想とをぜひ知って頂きたく思います。

どんな葛藤でも最終的には何かを選択しなければ生きていくことはできません。悩んだ末これで良かったのだろうかと考える時、凄まじい混沌を潜り抜けて、何も知らないフリをして佇む北浦さんのキャラクター達は、時に救いになりうるのかもしれないと思います。

北浦さんは、空虚と混沌は近いものだと仰っています。以前より彼女独特の言葉選びも非常に興味深く、いつも新作がみれるのを楽しみにしています。ぜひお読みいただき、機会ありましたらぜひ作品現物もご覧頂ければと願います。

《大槻香奈》



https://twitter.com/bmyasu/status/1489229090309607425?s=46&t=Mz33qxckp16CxCxT6wLF7g

うつわ本全編レビュー、本日は北浦朋恵さん。

キャラクター表現という一見キャッチーな作風でありながら原画には不思議な凄みがあります。

その存在感や引力を感じさせる「何か」を理解するための手がかりが大槻香奈さんの言葉とご本人へのインタビューで記されます。


ほんの一本の線であっても、描かれる軌道には膨大な選択肢と可能性があります。

それをあるべき姿に落とし込むために行われるアプローチは「工芸的」と言い換えることもできるでしょう。

一見シンプルに見える線に含まれる情報量と技術、均整と遊戯性のバランスの見極めによって生み出される作品には所謂「工芸」の作品と共通する精神性が見出せるのではないでしょうか。


ここで私が想起する工芸的な作品とは例えば螺鈿や蒔絵といった技法で繊細に紋様が描かれ完璧なまでに磨き上げられた輪島塗に代表される漆芸/漆工の技術です。

北浦さんのアプローチにおける精神性はこのような細密工芸に近いものがあるように感じます。

線を描くことで作品生み出す行為そのものにはすでに「うつわ」的な概念を含みます。しかしそのうつわの重みや引力、凄みを生み出すのは、お決まりのクリシェだとしても、細部に神を宿すことは一つの強力な手段でしょう。


読むと原画が見たくなる、読むことで原画の凄みに近づける。

北浦さんの原画と出会う時のため、ぜひこちらをどうぞ。

《青山泰文》