2023/04/29 16:26



https://twitter.com/kanaohtsuki/status/1467084268308688898?s=46&t=Mz33qxckp16CxCxT6wLF7g


本日は陶芸家・木ノ戸久仁子さんについて。陶芸の手法を用いて「稀晶石」という石の作品を制作されています。今年は必然性あってコラボもさせて頂き、私の絵画モチーフにもなっています。本書では木ノ戸さんと私との文通が掲載されています。

「人間はなぜ石を作るのか?」という木ノ戸さんにしかない壮大な問いと「世界を自分の手で実感したい」という欲望に立ちくらみしつつ共感します。 作品の謎に迫るだけじゃ終わらない、木ノ戸作品を通して地球と対話することの純粋なワクワクが詰まっています。


木ノ戸作品の重要な点は、石なのにその在り方が「うつわ」的であるということです。だからこそ自分の死後、時を超えての対話が可能になるはずと信じます。何より木ノ戸さんが最高に面白い。愉快な孤独は心の友。ぜひお楽しみください。

《大槻香奈》




https://twitter.com/bmyasu/status/1488864283031080961?s=46&t=Mz33qxckp16CxCxT6wLF7g

『日本現代うつわ論1』全編レビュー、本日は木ノ戸久仁子さんと大槻香奈さんの文通ページ。令和の時代にまさかの直筆文通。

お互いにゆっくりと思考と言葉を重ねる様子を私たちは読むこととなります。

どうやらお互いの言葉の理解に少しズレが生じているようです。


たぶん大事なことを言われているんだろうけどもよく分からない。

相手の目に自分の姿がどう映っているのかもよく分からない。

それでも互いに真摯に向き合うやりとりの記録のように読めます。

「分からないものは分からないものとしてそのまま大切にしながら向き合う」過程がここにあります。


この二人のやりとりは後のページに掲載される池田はるかさんの作品とリンクするような形式です。

この二つの記事を読み比べてみることもうつわ本全体の姿を知るひとつの糸口となるでしょう。


そして結果として、相手の言葉に触発されて自己を発見していく過程でもあります。

テキスト外の出来事ではありますが、文通の前と後での作品を見比べてみることも興味深いでしょう。


「石」といううつわを媒介とした”うつわ”的なコミュニケーションの形がここに記されています。

こうしたやりとりこそ”うつわ”という概念のポジティブな実践、あるいは中空性の積極的実践のひとつの形かもしれません。

《青山泰文》